東日本大震災・復興支援ボランティアに関して
 岩手県で復興支援ボランティアに参加した経験をもとに、参加方法、現地での活動、感想などをまとめてみました
 これから現地に行ってボランティアに参加してみようと考えている方の手がかりになれば、と思います
 また、むやみに「現地に行け!」と推奨するものでもないので、できましたら最後までお読みくださり、本意を汲んでくださる事を切望いたします

 *(5/3追記)GWに入り、メディア/個人からボランティア活動に関するいろいろな情報が次々に発信されています
 中には厳しい指摘やボランティア入りした人のマナーなどに関する信じがたいようなものもあります(当方の情報はかなりソフトです)
 情報を受け取る個々人も、それらを精査し、さらにそれを伝える際には慎重になる必要性が増していると思います
 情報に関する人災にも注意しなければなりません(ご自身が「デマ拡散」の加害者になる可能性も忘れずに)
 そして行動に移す際はくれぐれも慎重に…


●仕事内容
 震災から1ヶ月が経ち、多くの地域で「自分のめんどうをすべて見られる人間でないと被災地入りしてはダメだ」という時期は過ぎました
 特殊技能を持っていないから、現地入りしても足手まといになるのではないか
 …と思われるかもしれません、しかし現地には山ほどやるべきことがあります
 そして職種も多種多様にあります
・汚泥(ヘドロ)やゴミの除去(もっとも募集が多く、当方が参加したのもこれです)
・支援物資の仕分け作業
・避難所の手伝い
・写真の洗浄
・自転車の整備

  などなど…
 ご自身の考えや体力的なことを考慮して選んでみてください
 ただし、自分の行ける場所でその作業を募集しているとは限りません。ムリせず、できる仕事を選んで参加するのも重要と思います

●場所を決める
 ご存知の通り、甚大な被害を受けた場所は広範に及びます
 そして募集をかけている地域も多数あります
 ボランティアに参加するにあたり、まずは大まかな地域を決めるという方法も良い思います。「福島 仙台 盛岡」など、主要都市で調べるのも手です。そこから被災地までの交通手段も提示してくれる場合があります
 私の場合は東北に親族・友人はいないのですがここ5〜6年岩手山、早池峰山、八幡平など岩手付近の山にお世話になっていたので、当初から「岩手で」と考えていました。こういうきっかけで良いと思っています

 職種・地域がだいたい決まったら、次は絞り込みです

復興支援 東日本大震災(Yahoo!JAPAN)現地発ボランティア情報ホットライン
 ここの上部「検索」に、自分の行こうと思う地域・職種などを、右側「キーワード」を参考に打ち込むと、スムーズにしぼれます
 最新募集情報から選ぶのも良いかもしれません

全国社会福祉協議会 被災地支援・災害ボランティア情報
 こちらに被災地ボランティアに関する説明や、被災地のついての情報の詳細があります
 目を通しておくのが良いかもしれません

●ボランティア保険に入る
 上記で見つけたボランティア募集の説明を読むと、まず『ボランティア保険に加入してください』とあると思います
 これは、各自治体の社会福祉協議会で加入する事ができます(所在地は「お住まいの地域(市、区)+社会福祉協議会」で検索してください)「災害A」で490円、「災害B」で700円で加入できます
 自治体によっては加入料が無料になっているところもあります(直接的な被災地および近県、大阪府も無料なようです・2011年4月28日現在)私が住む神奈川県では当時有料でした。
 必要なものは免許証/保険証など身分を証明するもののみです(ハンコはなくとも大丈夫です)書類は10分もあれば書けますが郵便局支払いだったりするので、社会福祉協議会と郵便局が遠かったり時間が遅かったりすると1日で加入できない場合があります、余裕を持って当たるのが良いと思います。有効なのは加入翌日からです
診療所の診察券みたいな『ボランティア活動保険加入カード』がもらえます

 そんなまだるっこしいことしないで、オレサマの四駆で直接現場に行ってやるよ!
 という熱血な方もいらっしゃるかもしれません、しかしそれは極力避けた方がいいと思います
 個人でも、江頭氏のように、きちんと警察で「緊急車両」の許可とり、空白になってしまっている場所をリサーチし物資を届けに行くのは、とても良いと思います。被災地(壊滅的打撃を受けた現場)は、いまだ自衛隊・警察による手信号/道路はめくれ上がり、ガソリンスタンドもないような地域も多々あります
 個人の車の進入で、交通渋滞を引き起こしている、という情報もあります。これにより、緊急車両の通行の妨げになったら本末転倒です。

 各地に設定されたボランティアセンターには、各地の被災者の方々の要望が、世帯単位で詳細に届いており、それを様々なボランティア団体に振り分けています
 これにより、組織立った、合理的な復興作業ができていると感じました


 また、個人での被災地入りは交通渋滞や思わぬトラブルを引き起こす原因となります。助けにいったつもりが助けられる、という状況に陥る可能性は、極力排除しましょう


*2011年4月28日現在、「ボランティアの供給過剰」という話が出ていますが、これは受け入れ態勢が整ってきているのと、世間の関心が高まっているのとが交差している一時的な状況だと思います
 多い分には先方で締め切るので、まずは問い合わせてみましょう。そして締め切られたらまた次の機会…と、長く見ていきましょう。1年やそこらで片付くような状況ではないのですから
 「役に立ちたい!行動したい!」という熱意を大切にした上で、冷静かつ持続的に行動していくことが必要と考えます



*ご注意*
 とにかく見ておきたい!というだけの方はやめた方がいいと思います
 そもそもすべきことに対して動ける時間がとても制限されており、ぼーっと見ているヒマ等ありませんし、興味本位の写真撮影は被災された方々にとって大変失礼な行為に当たりますので、多方面から注意・あるいは禁止されております
 単に写真に収めたい、記録したいという目的であれば、これらのボランティアのルートを利用するのは避けた方が良いと思います(撮影や記録のための現地入りの方法は当方知りませんので、問い合わせには応じられません)

 道路など、だいぶ整理されてきたとはいえ、被災地の現状を目の当たりにして、その壮大な喪失感にやられてしまうこともあると思います
 体力的な問題だけではなく、精神に影響すると後々の生活に支障があるので、その辺り不安な方は違った支援方法をとられるのが良いと思います





 ・以降は、私の経験をもとに具体的に説明させていただきます

 つぎ ・現地の汚泥やゴミ除去作業について